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Insight Global活用事例:「シンガポール現地法人管理とグループ管理」

海外子会社管理において、子会社の不正を早期発見できるシステムを構築することは不可欠です。しかし、内部に適切な人材がいない、予算がないなどの理由で、きちんと体制が整わず不正が発生してしまう企業が多くあります。今回ご紹介する弊社取扱い事例も、そのような状況により、海外子会社で重大な不正が多数発覚しました。では、このような事態を防ぐために、どのような対策が必要になるのしょう?シンガポールに子会社を置く不動産会社のケースを例に考えてみましょう。

課題


本ケースのクライアントは、東南アジア諸国やインドに多数の事業投資や不動産投資を行っており、シンガポールを管理上の本拠とし、各地域に子会社を抱える複雑な所有形態をとっていました。会社は様々な機会に資金投資していましたが、シンガポールで米国人のCOO(最高業務執行責任者)を雇用し、その管理を任せていました。原則、本社CEOは日本にいましたが、数ヶ月に一度現地訪問を行い、 COOと共に管理を行なっていました。COOも定期的な報告を欠かさず、業績についての分析もCEOの希望に沿う形で行われていました。

ところが一転、順調に見えた海外事業は、CEOの交代で急変します。元々、親会社は海外事業管理部門を担う優秀な人材に乏しく、海外事業は主に旧CEOが担っていました。そのためCEO交代後は代わりの人材を確保できず、現地訪問の頻度が激減。これにより海外事業の管理水準が急低下し、投資案件やエリアごとの業績が正確に把握できなくなったばかりか、不透明な資金移動が海外子会社間で行われるようになりました。また、日本からの資金投資に関わる日本側での会計処理と海外子会社側での会計処理の不一致が判明するものの、その解明には至らないという状況がしばらく続きました。

海外子会社管理を成功させるために


本ケースにおいて、これら不正が起こった理由として以下のような事が考えられます。

1.日本本社の当事者意識の無さ、組織的な対応の不足
2.日本本社での子会社からの報告書に対する定期的なレビュー手続きの欠如
3.子会社のCOOへの過度の信頼

子会社不正は、不正が発生した子会社だけではなく、企業価値の低下など企業グループ全体に対しても重大な影響を及ぼし、調査や再発防止策の策定等にも膨大な時間とコストが費やされます。本件は、当初は少額だった粉飾や横領が、時間を経て雪だるま式に多くなっていたという不正の典型例でしたが、もし初期の段階で日本本社が組織的に経営管理•モニタリングを行なっているということを子会社側に意識させる事ができれば、違った展開になっていた事でしょう。

子会社不正を早期発見するためには、会計記録や証憑中心のモニタリングは不可欠ですが、子会社が海外にある場合や規模が大きくなってくると、従来のやり方だけでは十分に実効性のあるモニタリングは難しくなります。
そこで近年、AIによる分析ツールを活用した不正のリスク分析とモニタリングが注目を集めており、弊社も自社開発グローバル経営管理ツール「Insight Global」で、子会社管理を円滑に行うシステム構築をサポートしております。このツールを使えば、会社のあらゆる情報をダッシュボード上で一元管理し、全ての情報を全員で共有する事ができるため、モニタリングの強化が期待されます。
グローバルジャパンでは、Insight Global導入の際、使い方や数字の分析、海外子会社とのコミュニケーション方法など、海外子会社管理に関するあらゆるノウハウをお客様にお伝えし包括的なサポートが可能ですので、いつでもお気軽にご相談ください!

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