1. インド子会社の資金回収に関する問題点
①日本のインド子会社が販売機能を持ち、現地流通業者を通じて、インドで商品を販売していたが、債権回収について大きな課題を抱えていた。
②本社としても、遅延する債権回収を大きな問題点と認識しており、インド子会社のインド人社長、日本側の担当責任者を巻き込み、販売先との交渉に多くの時間を掛け早期の資金回収に努めたが問題は解決されなかった。また、当該資金回収問題に対して、現地社長、日本穂側の責任者が膨大な時間を費やさざるをえない状況であり、本来注力すべき営業体制の強化等の施策への時間が圧迫されるような状況であった。
2. 解決策
①現状の債権回収に関する問題点を認識するために、インド子会社の社長、売掛金管理官当社、日本側の責任者にインタビューを行い、顧客との契約的締結までの文書化のプロセス、交渉プロセスについて詳細を文書として明らかにした。
②文書化の過程で、本来顧客との間で決定すべきマスターアグリーメントの契約書や、交渉プロセスでのステイタスを確認する文書の入手手続きに重大な課題があることが発見された。また、それらのプロセスをマネージメントが適時にモニタリングできるような透明性のある報告体制が確立されていないことが分かった。
③上記を踏まえ、マスターアグリーメントの契約書や、交渉プロセスでのステイタスを確認する文書の入手手続を提案し、インド子会社の管理支援を行う弊社インド子会社と連携しながら、債権回収プロセスの改善とモニタリング制度の構築に取り組んだ。
3.結果
インド企業との取引する際、事前に明確なルールを合意した上で行うことになり、マスターアグリーメントの契約等の事前確認すべき事項を受け入れられない取引先とは契約を解除し、より信頼性が高い顧客への比重が高まった。また資金回収業務は、ルーティン化することができ、ボードメンバーを巻き込むことなく、債権管理者で業務を簡潔することができるようになった。 それに伴い、ボードメンバーも生産性の高い業務に注力することができるようになり、全体としての売り上げ増加につなげることができた。