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合弁企業の管理問題を解決(中部地方 機械部品製造)

(中部地方 機械部品製造)


中部地方の中堅機械部品製造企業(70名)。タイのパートナー会社と合弁会社を設立したが、経理・財務などの管理業務を担当するタイ企業から、なかなか財務データが入手できないという問題を抱えていると、本社財務部門からご相談いただいた。

合弁会社設立は約3年前。その際の契約では、購買、製造、営業については日本の会社が管理、経理、人事、総務などはタイの会社が行うと定められていた。実際に製造がスタートし販売活動も順調であったが、合弁先からの財務データの提出が大幅に遅れはじめたという。

日本側から提出を強く依頼してもタイ側は動いてくれず、日本本社では経営実態が把握できないまま、不満と不安は募るばかりであった。しかし、得意先からの注文は増加し、事業を推進せざる得ない状況で、さらに順調に見えた事業で「資金が回っていないため、多額の資金的手当てが必要」と現地経営者から突然連絡が入ったというのだ。

現地の経営側と言葉や文化の壁により思うようにコミュニケーションがとれないことで起きるボタンの掛け違いが経営を悪化させてしまった典型例といえる。

本社財務部でヒアリング後、現地の財務実態を把握するため現地法人の短期調査を行った。するとそれまでの経営赤字の原因が、他の地元の関連会社からの納入価格が他と比較し高すぎる設定になっていたことや、地元タイの社長に対する多額の報酬が収益を圧迫していることがわかった。また、原価計算も適切にされておらず、原価管理もずさんであったことが判明した。短期調査による問題点把握後、当社ネットワークで日本側の意向に沿った地元の経理担当者を雇用させ、そこを糸口に徐々に経営実態の把握を進めた。するとそれまでの経営赤字の原因が、他の地元の関連会社からの納入価格が他と比較し高すぎる設定になっていたことや、地元タイの社長に対する多額の報酬が収益を圧迫していることがわかった。また、原価計算も適切にされておらず、原価管理もずさんであったことが判明した。

当社がコンサルティングに入る過程で、本社の原価計算方法に沿った形で、タイ合弁会社の原価計算手法を明確にし、日本の原価管理の仕組みと整合性のある管理体制を構築し、日本人経営者が適時に正確な情報の入手できる財務プロセスの構築を行った。

さらに、当初51:49で定めたジョイントベンチャー会社の持株比率についても、日本企業が実質的にコントロールできる体制となるよう、本社主導のもと粘り強くタイ企業と交渉を続け、最終的には地元協力企業の参画などにより、日本人企業が経営を主導できる株主構造へ変更することができ、経営実態を適時に把握できる体制を維持するための障害を取り除くことに成功した。現在も適時に現地と日本側の間に入り、問題発生を防ぐよう動いている。

※ 当該事例では会社の特定を避けるため、お客様の合意をいただいたうえで、所在地・産業等を変更し、プロジェクトのエッセンスを例示としてお示ししています。

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