亀田製菓CEO インド人就任
亀田製菓CEOにインド出身のジュネジャ・レカ・ラジュ氏が就任
グーグルのサンダー・ピチャイ、マイクロソフトのサティア・ナデラ、シャネルのリーナー・ナーイルなど、世界のトップ企業で多くのインド人がCEOとして活躍しています。
日本企業でも近年、インド出身のニケシュ・アローラ氏がソフトバンク代表取締役副社長およびヤフー取締役会長に就任し(16年退任)した事もあり、日本におけるインド人の存在感も大きくなっていると感じています。
その様な中、2022年6月、柿の種でお馴染みの亀田製菓が、インド出身のジュネジャ・レカ・ラジュ氏のCEO就任を発表しました。同社は、かねて長期ビジョン「グローバル・フード・カンパニー」を掲げており、既に中国やインドの工場を建設し、現地で柿の種を販売。アメリカにも拠点を設け、積極的に海外展開をしています。今回、ジュネジャ・レカ・ラジュ氏が就任した事により、同社のグローバル戦略が更に強力に推進されることが期待されます。
米菓から脱却。狙うは海外市場
亀田製菓が狙うのは、海外市場。近年は、従来の米菓事業にとらわれない事業を展開していますが、その例の一つが、2012年のアメリカのクラッカー会社Mary’s Gone Crackersの買収・子会社化です。Mary’s Gone Crackersは2004年にセリアック病(グルテンによる疾患)を患った Waldner 氏が立ち上げた会社で、創業以来、オーガニック・グルテンフリー・植物性タンパク質にこだわった製品を提供しています。亀田製菓はMary’s Goneとオーガニックのライスクラッカーを共同開発、日米の有機認証に加え、非遺伝子組み換え、ビーガン、グルテンフリーも認証取得するなど、世界中で高まる健康志向へのニーズに答えた商品を展開しています。
グルテンフリー食材は、日本ではまだあまり馴染みがないですが、欧米では多くの人が強い関心を持っているジャンルです。と言うのも、現在、アメリカにはグルテン関連患者数は約1,200〜2,600万人(全人口の3.7〜8.0%)、欧州では約400〜4,900万人(全人口の1.3〜15.0%)いると想定されています。この疾患はこれまで見過ごされる事が多かったのですが、診察技術の向上と病気の認知度の高まりにより、患者数は更に増加すると予想され、加えて近年はSDGsへの関心の高まりもあり、この様なサステナブルな食品の大きな需要増加が見込まれます。
出典:ウォルマートカナダ
https://www.walmart.ca/en/ip/Mary-s-Organic-Original-Crackers/6000192175872
出典:農林水産省「米粉の輸出拡大に向けた 欧米グルテンフリー市場調査」 (2019年3月)
https://www.maff.go.jp/j/shokusan/export/attach/pdf/30hokoku-24.pdf
インド人材から新たなビジョンを!
日本は技術力が高く、真面目に働く日本人の態度も多くの海外ビジネスパーソンから高く評価されています。その一方、近年、なかなか世界で結果を出せていない企業が多いのも事実です。それには様々な理由がありますが、一つには「日本企業のガラバゴス化」が挙げられるでしょう。
日本の製品やサービスのクオリティが高い一方で、日本と他国との価値観の間に大きな乖離があり、日本製品が現地で売れないと言う話はよく聞かれる事です。例えば電子レンジを例に挙げると、日本製品にはピザ釜、スチーム、パン種発酵など多い場合は数十種類の機能が付いています。しかし、他国は日本と比べ共働き率が高く、普段の料理に時間をかけるのを嫌がる傾向があります。また、その性能の多さが返って調理を複雑にし、使いやすさから遠ざかってしまう側面もあるため、合理主義者が多い欧米ではあまり受けないのです。エアコンに関しても、「日本製品は値段の割にパワーがないのでコスパが悪い」、と言う話も海外ではよく聞かれる話です。
この様に、日本で日本人の視点だけで物作りをすると、日本でしか通用しない製品しか思いつかなくなり、グローバル進出は厳しくなってしまいます。しかし、もし、そのような会社にインド人材が入ってきたらどうでしょうか…? 日本人だけでは、思いもつかない斬新なアイディアが生まれる事もあるかもしれません。インド人は英語ネイティブと言う事もあり、欧米での留学・就業経験が豊富で、親族や友人が世界中にいる事も珍しくありません。
弊社では、インドIT人材の紹介や派遣をさせていただいていますが、グローバル環境での経験が豊富で、且つ世界中にネットワークを持つ彼らから吹く新しい風は、日本の企業に多くの実りをもたらすと考えています!