Insight Global活用事例:確かな経営数字を基に、DXで強固な海外子会社管理を(製造業)

クライアント概要

今回のクライアント企業は、創業60年、従業員数500人(連結)の金属パーツ製造会社です。現在、中国、ベトナム、インドの3カ国に製造と販売の拠点を持っています。
この会社は、創業者である前社長が強力なリーダーシップで海外事業を行なってきましたが、創業者が退任後、運営に課題が生じます。と言うのも、海外事業は、英語が堪能で海外ビジネス経験豊富な創業者に任せきりの状態。人手不足のため、人材育成が疎かになっていた事もあり、海外事業がスムーズに行かないケースが増えてきたのです。
そこで、新体制発足を機に、「どのような状況においても揺るがない経営基盤を、DXを通して築こう」と決心され、グローバルジャパンがInsight Global導入をサポートする運びとなりました。

業務改善内容と成果

1.海外子会社の帳簿の見える化
以前の連結決算は、各海外子会社から本社に送られてきた月次データを基に行われていました。しかし、手作業による入力ミスや、本社の指示した連結勘定科目ルールに従っていないケースが散見し、データの信頼性には疑問がありました。もちろん、現地の元帳、試算表を確認すれば良いのですが、本社の負担が増えるため、リスクを承知の上で目をつぶっている状態でした。
導入後は、Insight Globalでは、各子会社の仕訳データをクラウドが自動で吸い上げ、そこから試算表を作成して、連結システムにアップロードできるシステムを構築。試算表も、自動で本社のルール通りに作成されるので、連結決算の信頼度は飛躍的に向上しました。
また、これら作業の自動化により、子会社の業務改善にも成功。現地の会計ソフトは中国では「用友」、インドでは「Tally」など国によって違いますが、Insight Globalはどんな会計ソフトにも対応。翻訳機能もあり、本社への報告書の作成不要になったので、現地スタッフの負担も軽減しました。

2.ドリルダウンで情報の深掘りができる
これまでは、海外子会社が本社に送る月次データは、エクセルで提出していました。時には数ヶ月遅れでの提出になるケースもあるため、本社が不自然な資金の動きを発見しても、「何ヶ月も前の事なので分かりません」「担当者が退職したので分かりません」など、未解決のままになるケースが多々ありました。
導入後は、インドで大金が銀行から引き落とされた場合、Insight Globalでデータ検索すれば、「自動プレス機械の購入に当てられていた」という仕訳まで深く調べる事ができるようになりました。また、全てのデータは、入力した担当者が分かるようになっています。もし、「なぜ購入に至ったのか」など更に疑問を持った場合、Insight Globalのチャット機能から担当者に詳細を直接質問し、腹落ちするまで調べる事ができるのです。

3.ガバナンス強化:不正の抑止と早期発見のためのガバナンス強化も、Insight Globalが大いに活躍してくれました 。 Insight Globalでは、海外拠点の全ての銀行口座の状況(入出金と残高)をリアルタイムで確認できるよう設定。「資金の見える化」を実現した事で、内部監査の精度と効率が向上しました。特に海外渡航が制限されたコロナ禍では、現地に内部監査に行くことができず、多くの経営者の方が不正リスクを懸念していました。しかしInsight Globalがあれば、「常に見られている」という意識を現地スタッフに持たせることができるため、不正のリスクが軽減します。この会社では、渡航前にInsight Globalから予備調査ができるため、今後は出張の頻度や日数を減らす事も検討されているようです。